ホンモノの素材でのくらし2018.10.09

はじめまして、新入社員の水谷と申します。今年4月に入社し、早いもので半年が経とうとしています。今回は阿部建設の「ホンモノにこだわる家づくり」について考えてみようと思います。

そもそも「ホンモノ」とは、何を指して「ホンモノ」というのでしょうか。私はこの問いに、例えば木目調のプリントがされた加工紙と、ヒノキやタモ、チークとの違いを想像します。合板、集成材と対比して、仕上げ材に無垢材や漆喰、珪藻土などを主に使った家を「自然素材の家」と言います。自然素材と既製材の違いは、実際に素材に触れること、そして長く住み年を重ねることで見えてくるものがあります。
 

 
ショールームに来られた時や、住宅の完成見学会で部屋に足を踏み入れた時、ふわっと木の香りと空気に包まれて、思わず「いい香りですね」と話されるお客様を見かけしました。無垢材ならではの空気がもたらす心地よさ、手触りや素材感、温かな風合いは木本来のもので、心がホッと和むのではないでしょうか。
 
阿部建設の木の家は自然素材、無垢材にこだわりを持っています。家族が快適で健やかに暮らせる住宅をつくるために、機械だけに頼らず、窓から太陽熱や光・風を取り入れたり、パッシブソーラーを利用したりと自然の恵みを生かす手法を提案しています。無垢材や漆喰は、それを使うことによって常に調湿作用が働いてくれるので、何よりも機械いらずの素材だとも言えます。
 

 
他にも、自然素材は経年変化が見られるという特徴もあります。月日が経つにつれ、深い飴色になっていく変化は無垢材だからこその楽しみだと思います。プリントフローリングはキズがつくと表面の下の素材が見えてしまいますが、無垢材なら一つの木材なので、ヤスリで削れば綺麗になります。
家をお手入れしていく、というのも自然素材を使う家にとって大切な暮らし方です。手間がかかると感じる方もいるかもしれませんが、家は竣工した直後のピカピカの状態がピークではありません。キズひとつひとつが思い出になる、とおっしゃるお客様もいます。手入れの仕方も、新しい家での生活を想像し、自分たちにあっているか検討してみてはいかがでしょうか。
 

 
もちろん、とにかく自然素材を使えば良いわけではありません。素材選びは機能やデザイン性、予算が密接に絡みます。天井、壁、床、構造材、家具や建具など、使われる場所や目的によって多様に使い分ける必要があります。無垢の木は生きているため使用するうちに反りや伸縮がおこり、動かない新建材に比べて扱いにくく、加工しづらい素材といわれます。そのため、柱に背割れを入れるなど、木に熟知した大工さん達によって丁寧に加工し組み上げる必要があります。水まわりなどぬれやすい場所は、タイルやコルクなどを用いるのも手です。
 
壁の仕上げも、漆喰以外にたとえばクロスを採用することも。最近のクロスは、色や模様など種類が豊富。デザイン性も高く価格面でも扱いやすいため、ご要望に合わせて自然素材とミックスする住宅も増えています。一概に自然素材にこだわるのではなく、利点欠点をよく考え、お客様のご要望と暮らしやすさを実現できるようアドバイスをしながら、一緒に素材選びをしていきます。
 

 
家づくりは、単純に住宅という商品を売り買いするだけにとどまりません。何十年と住み続けられるよう、心地よい暮らしを提供することが私たちの仕事で、そのためにお客様一人一人にあった素材を選択します。答えは一つではありませんが、暮らし方を追求した先に、阿部建設の「ホンモノ」にこだわる家づくりがあります。「ホンモノ」の良さは何か、今一度考えてみる機会として、ぜひショールームや見学会に足を運んでいただき、ホンモノの素材を実感してみてください。

設計・技術 水谷

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