家づくりの流行を、あなたの設計にも2021.11.12

「カーテンレス」、「ユーティリティーの充実」。

日々多くのお客様とお話をし、プランニングするなかで、最近人気のいくつかのデザインや間取りから、2つ選んでみました。

 

家づくりにも流行があり、その時代の生活様式や日常の問題の核心をついているものばかりです。

多くの人が注目しているだけあって、共感でき感心するアイデアが多く、流行りもあなどれません。

今、家づくりを検討されているみなさまも参考にしてみる価値ありです。

 

 

さて今回は、最初に取り上げた最近人気の家づくりの2つのテーマについて、

そのテーマを解説 → プランニングの一例をご紹介

という順に進めていきます。

 

毎日家づくりに関わる設計士として、「こんな提案をすれば喜んでもらえるかな?」と今までにいくつも考えてきた設計のアイデアや手法から厳選しました。

 

 

 

「カーテンレス」

 

カーテンレスとは


雑誌やインスタグラム、ピンタレストなどでお部屋の写真を探していると、「すっきりして素敵!」と思った写真はどれもカーテンがなかった、ということはありませんか?

 

私もお客さまのモデルハウス案内する際、カーテンの話題をあげることが多いです。

「普段リビングではカーテンを開けて、風が抜けるようにして過ごしています」とお話される方もいる一方で、「今は隣の家の窓と向かい合わせなので、カーテンは閉めっぱなしです」という方もいらっしゃいます。

 

インテリアをすっきりさせたい、リビングから庭の緑を眺めたい、ぼんやりゆったりとくつろげる場所が欲しいといったご要望も、大きくまとめると「カーテンレス」というキーワードに集約できます。

 

 

そのための設計方法


間取りに落とし込むときに考えることは、「いかに周囲の視線を気にせず、外部の良い要素を生活に取り込めるか?」です。

この外部の良い要素とは、

■太陽光、風 …明るさや暖かさ、通風を確保し、快適な空間を生み出します

■景色 …眺めがよい窓があれば、自然とそこに長居したくなる心地よい場所となります

といったものになります。

 

 

カーテンがないことで、光が壁を伝って自然な陰影をつくったり、窓が額縁となり、その先に良い景色が見えていたり…。

そんな「絵になる」空間を生み出すことができます。

 

カーテンをつけない「カーテンレス」な暮らしをするためには、外部の良い要素を取り込むために、敷地の読み込みやゾーニングが大切になってきます。

 

これらは家づくりの第一歩目であり、非常に重要な作業のため、私が常に意識している設計方法です。

 

 

 

「ユーティリティーの充実」

 

ユーティリティーの充実とは


近年共働きのご夫婦が増えている中で、解消させたい最大の悩みは「家事の負担軽減」です。

 

朝早く起きて洗濯と食事の準備を済ませ、子供を見送り、慌ただしく出掛ける…

夜も帰った後すぐにはくつろげず、夜ご飯の支度やお風呂の準備、子供の面倒、洗濯物の片付け…

など、毎日やることがたくさん。

 

散らかった部屋を整頓したくても、アパートは手狭でそもそも収納が足りない、なんてことに悩んではいませんか。

 

だからこそ、「新居は広くゆとりのある家で理想を叶えたい!」というお客様が多くいらっしゃるのだと思います。

 

 

まず、ユーティリティーとは、家事作業のための空間を意味します。

 

洗面室、脱衣室、キッチン、パントリーなど、該当する部屋は多いですが、逆に言えば家事の時はそれだけたくさんの場所を移動しているということ。

 

それらの動線の短縮や、容量を大きくすること、使い勝手を良くすることを「ユーティリティーの充実」としました。

 

 

そのための設計方法


ユーティリティーを充実させるためのご提案の際は、複数の部屋やアイテムの組み合わせや並べ方が設計のポイントです。

 

1. 洗面カウンターを長くとり、ボウルを2台つける

…朝の身支度で混み合いがちな洗面でも、それぞれが作業できるスペースがあれば快適です

 

 

2. サンルームとファミリークローゼットを直結させる

…洗濯物を取り込み、移動して、ハンガーから外してたたみ、それぞれの場所に収納する、その手間を省きたい!というお話もよく耳にします。洗濯機からすぐ物干しにかけ、乾いたら各部屋に配らずまとめて収納してしまいます

 

 

 

 

 

3. パントリーを広くし、玄関~パントリー~キッチンの動線をつくる

…週末にまとめて買い物した荷物は、玄関から最短の動線でパントリーにしまえると往復の手間がなく楽ちんです

 

 

 

 

 

LDKを素敵な空間にすることも大事ですが、こういったユーティリティーに小さなカウンターを設けることもあります。

 

 

忙しいお父さん・お母さんが一人になり、一息つける空間をつくる、設計士の心遣いです。

 

 

 

 

いかがでしたか?

私が最近人気だと感じるデザインや間取りについて、設計ポイントもあわせてご紹介しました。

 

一生に一度の大きな買い物である家づくりを任せていただける以上、お客様の大切なお金を少しだって無駄にはできません。工夫を重ねてその価値が何倍にもなるよう、設計に取り組んでいます。

 

普段からアンテナをはって学び、良いと思うアイデアは何でも蓄え、お客様の夢を叶えるプランをご提案できるよう精進していきます!

 

 

設計 水谷

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