火のある暮らし2023.01.11

かつて、火は暮らしに欠かせないものでした。台所ではご飯を炊き、煮炊きをし、お風呂は薪で沸かし、茶の間の暖房は火鉢や炭団などを使い、生活とは切り離せない身近な存在でした。
 

 
時代と共に生活様式は変わり、電気やガスなどの普及と共に設備や家の性能が格段に上がったことで、暮らしは随分と快適になりました。しかし、毎日の生活の便利さや快適さだけでは、心の豊かさまで味わうことは少ないような、そんな気がしています。
暖房器具として薪ストーブを取り入れる方もいらっしゃいますが、薪ストーブは体を温める熱源としての機能とともに、火の揺らぎを見ることで体も心も癒してくれる“豊かな暮らしのアイテム”という一面もあります。
 

 
火のゆらぎは一定でなく、そのゆらゆらとした炎を見ていると心が落ち着くリラックス効果があります。皆さんも経験があると思いますが、火を眺めていると時間が経つのを忘れてしまうぐらい飽きないものです。また、薪ストーブを使ったスープやピザなどのお料理は、その味はもちろん、出来上がるまでの間も楽しめる特別なものです。
 

 
能力の高い暖房器具なので広い空間でも暖まりやすく、輻射熱の効果もとても大きいため体を直接温めてくれるだけでなく、床や壁、天井といった建物の内部も同時に暖めます。モデルハウス手しごとの家にも薪ストーブを採用しており、天井高さのある2階全体をじんわりと優しい暖かさで包んでくれます。
 

 
ストーブの種類としては、薪ストーブやペレットストーブがあります。薪ストーブは、なかなかハードルが高く、薪の調達や薪割り、煙突のメンテナンスが必須になってきます。そんな作業も楽しみながら生活の一部として取り入れることができたら、冬が待ち遠しくなりますよね。
 

 
少し違った見方をすれば、薪割は全身運動で体も温まり健康にもいいです。
「薪は人を三度暖める」ということわざがあるそうです。一度目は薪割りで、二度目は薪を運んだり薪棚に積んで、そして三度目は薪を燃やすことによって体が温まる。これこそが他の暖房器具にはない薪ストーブの醍醐味です。薪割りで汗をかくとストーブも必要なかったり・・なんて事も。笑い話ですね。
 

 
もう少しお手軽なのはペレットストーブです。薪ストーブ程の炎の迫力は有りませんが、それなりの火の揺らぎや暖かさを楽しむことができます。

 

 
燃料はペレットと言って、木材を粉砕して熱処理で圧縮した小指の先程のチップ状のものです。阿部建設では15年ほど前より工場にプラントを導入してペレットを作っています。現場で不要になった廃材を利用していますので純正な木材だけで作られています。今でいうSDGsの取り組みにもつながります。
 

 
ペレットストーブは電気で動かしますが、ペレットを入れてスイッチを押すと、自動着火し炎の中に落ちていくので手間がかかりません。煙突の掃除もほとんど必要がなく、灰をたまに捨てる程度です。ペレットストーブは燃料の調達、メンテナンスが楽でありながら火の揺らぎや暖かさを手軽に楽しめるストーブとして人気です。
 

 
慌ただしく過ぎる日々の中で、家族団らんの時間をつくるのも難しくなりましたが、ストーブがあることで自然と炎の前に集まり、お茶を飲みながら、本を読みながら、それぞれの過ごし方だとしてもとても素敵なひと時になりそうです。
今年も冬の便りをあちこちで聞くようになり、冬本番の時期になりました。この時代だからこそ手間のかかる暖房でゆっくりした時間を過ごし、心の豊かさを取り戻したいですね。
 

 
大森ウッドタウンのモデルハウスには、薪ストーブのある手しごとの家とペレットストーブのあるkitchen SALONがあります。ぜひ、それぞれの暖かさを体感しにいらしてください。
 
 

設計 吉本

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