障がい者福祉施設 完成見学会・個別相談会を開催しました2021.04.05

3月11日、14日に障がい者福祉施設の完成見学会・個別相談会が開催されました。
多くの方にご来場いただき、ありがとうございました。
 
お施主さまである、特定非営利活動法人ほがらか企画さんは、知多郡武豊町で地域と連携を図りながら、育ちの不安や遅れ、障がいのある子どもとその家族等を対象に、地域における子育て・療育・余暇活動・文化活動等の支援を行うとともに、農業をはじめとする働く場の提供等の生活支援を行っています。
 
2年前に土地取得のご相談から始まり、行政とのやり取り、補助金申請等トータルでサポートさせていただき、この度竣工を迎えることができました。
 

 
外観は街に馴染む平屋造りで、近隣の方に興味をもっていただけるよう大きな掃き出し窓を設けています。敷地はフェンスや塀で囲われておらず開放的。ほがらか企画さんが掲げるコンセプト通り、地域に開かれた建物となっています。駐車場には雰囲気のある1本の榎(えのき)がシンボルツリーとして残されていて、ブランコを吊ったりクリスマスにはライトアップをする予定だそうです。榎の花言葉は「力を合わせる・共存共栄」。この施設にぴったりな花言葉です。
 

 
駐車場から玄関、室内まで段差はありません。車いすで来場されたお子さまも「あっちも見ていい?」と自由に見ていただけて楽しそうでした。
 

 
中に入ると、高天井のホールが各部屋を繋ぎます。壁に囲まれたはホール(中廊下)は暗くなりがちですが、屋根に取り付けたトップライトからは北側の安定した光が差し込み、落ち着きのある優しい空間になっています。
 

 
ホールから左に向かうと食堂や就労室等が広がります。建具を開放することで一体的に使うこともできるので、ゆったりと過ごしていただくことが可能です。
 

 
キッチンの鮮やかなカラーは空間のアクセントになっています。
 

 
こちらの建物の一つ目のポイントは、大判直交集成板CLT(クロス・ラミネーティッド・ティンバー)。CLTとは、ひき板を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した厚さ36㎜の材料です。今回はこのCLTを木造在来軸組の構造用面材として利用したAパネ工法を採用しています。Aパネ工法のメリットは高耐力で耐力壁を最小限に抑えられる為、壁の少ない大空間をつくり出せること。「面積以上に広く感じる!」と好評でした。
 

 
外部の壁の一部や軒裏、主要な部屋の壁や天井もCLTの杉の板目の特徴を生かした「あらわし仕上げ」です。厚さが36㎜ある杉板なので、壁のどこでも手すりや掲示物を取り付けることができ、車いすがぶつかっても壊れません。
 

  
二つ目のポイントは空気式の床暖房です。エアコンの暖房を心地良く感じないのは、足元が冷えて顔がのぼせてしまうことが原因のひとつです。床下の空気を暖めることで足元からじんわり暖かくなるので、快適さが違います。来場された皆さんもご興味深げに説明を聞いていらっしゃいました。
 

 
多くの人が出入りする施設建築もやはり、阿部建設の家づくりに対する考え方と基本は同じ。耐震技術、床下暖房、自然素材の利用、バリアフリーなど、そこにいる人誰もが安心で快適に利用でき、かつランニングコストも見据えたご提案をこれからもしていきたいと思います。
 
次回は、5/28(金)・30(日)に【木造クリニック・調剤薬局】の完成見学会を開催予定です。
 
 

施設建築・リフォーム部 前田

 

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