「南に開く2階リビングのバリアフリーの家」完成見学会を開催しました2021.04.06

先月3月27日、28日に名古屋市天白区にて完成見学会が開催されました。交通事故により車いす生活になられたご主人とご家族がくらす住まいです。南向かいの公園の緑が望める2階リビングを中心に、ご家族が楽しく心地良く、そしてそれぞれ自分の時間も大切にしながらくらしていただける空間づくりを目指しました。
 

 
見学会当日は、バリアフリー住宅をご検討のお客さまもたくさんお越しいただきました。バリアフリー設備が充実していながら、シンプルですっきりとしたデザインにこだわったこちらのお住まい。「家づくりの参考になった」というお声をたくさんいただきました。
 

 
例えば、ご主人の寝室から洗面室を通り浴室まで伸びた「天井走行リフト」。ベッドから浴室までを一直線に計画し動線をコンパクトにすることで、移動はもちろん、一つひとつの動作もスムーズに行えます。ユニットバスは天井走行リフト対応の特殊な仕様となっています。
 

 

 
また、介助・介護する訪問者の出入りを考えた“動線計画・間取り”も重要な要素でした。ご主人の寝室とそれにつながる水廻りを玄関の近くに配置することで、訪問看護師さんなどの外部の介助動線を最小限に。ご家族のプライベート空間と交わりすぎない、適度な距離感を確保することで双方の気遣いを軽減しています。
 

 
他にも、玄関ポーチへアクセスするための段差解消機、上下階移動のためのホームエレベーター等を設えています。これらは大掛かりな設備と感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はQOL(生活の質)を高める効果が期待される「究極のバリアフリー設備」とも言えます。
 

 
外に繋がる段差解消機はお出掛けのハードルをグッと下げてくれますし、ホームエレベーターによって、「行けない部屋はつくらない」というご主人のご要望が叶い行動範囲が広がります。
 

 

 
そしてこのホームエレベーターによって実現した2階LDK。眺めの良いキッチンやたっぷり収納は、子育て世代のお客さまにも大人気でした。キッチンに立つとリビング越しに公園の緑が良く見え、とても気持ちの良い空間になっています。
 

 

 
公園の向かいと聞くと人目が気になる敷地と思われがちですが、LDKを2階にすることで外からの視線を気にせずに、窓から四季折々の自然を感じることができます。また、LDKとフラットに繋がるバルコニーには、ハンモックを吊るす金物を設置。遊び心も取り入れたセカンドリビングとしても活躍します。
 

 

 

リビングは屋根の勾配に沿った杉板仕上げの勾配天井に。これも2階リビングならではの特徴です。白ですっきりとまとめられたLDK空間のアクセントとして、木の温かみを感じさせてくれます。
 

 
LDKの上部にあるのは、太陽光発電の設置と縦長の敷地形状という2つの要素から生まれたロフト。季節物から大物までしまえる便利な収納空間となっており、引き戸を開けることでLDKとの一体感を感じることができます。
 

 

 
洗面などのパブリックな空間は、ご主人も行きやすい動線上に配置。
 

 
階段下を有効活用したトイレは、木をアクセントに少し落ち着いた色味でコーディネート。階段形状をデザイン的に見せています。
 

 
私は設計アシスタントと現場監督として、こちらのお住まいに携わってきました。お施主さまはいつも和やかでとても仲の良いご家族ですが、新たなお住まいでさらにのびのびと、リラックスした家族団らんの時間を過ごしていただけることを願っております。
 

 
なお、こちらのお住まいは、土地探し・仮住まい・保険交渉など、生活にかかわるあらゆる面で阿部建設が窓口となってサポートしながら完成に至りました。これから家づくりをお考えのお客さまにも、ご自身だけでは分からないことがあるかと思います。できる限りのサポートをさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
 
 

設計 若林

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