先月の25、26日大府市にて完成見学会が開催されました。こちらのお住まいは北側道路に面した旗竿形状の敷地で、少し奥まった場所にあります。
一般的に旗竿地は、日当たりや風通しに工夫が必要なケースが多い反面、道路からの騒音や通行人の目線が届きにくいため、プライバシーの保たれた静かな環境での生活が実現しやすいというメリットもあります。
今回の設計では、階段空間に吹き抜けと大きな窓を設けて上階から光を落とし、壁引き込みの大開口サッシからは南北へ抜ける風が取り込めるよう工夫を施しました。
1階は廊下のないワンフロアで構成。室内に入るとLDK全体を見渡せるオープンキッチンが目を惹きます。
玄関からシューズクローク兼パントリーを通ってキッチンへ。この無駄のない裏動線は、ご来場のお客様からも「いいですね」というお声をいただきました。
キッチン背面には白を基調とした造作収納を設えています。壁と同系色にすることで圧迫感を抑えて空間を広く見せ、所々に施した木やタイルがアクセントになっています。
ダイニング横に設けた大開口サッシ開ければ、リビングダイニングはテラスまで延長され、外部空間も暮らしの一部となって家族の愉しみ増やしてくれます。
こちらの広いテラスは奥行2.7mほど。食事を愉しんだり、お庭を眺めたり。軒がしっかりと出ているので強い日差しや多少の雨であれば凌ぐことができます。
LDKの一角には小上がりの畳コーナーを設け、ホッと一息腰をおろせる居場所をつくりました。
基本はリビングやキッチンとひと続きの空間ですが、ロールスクリーンで仕切ることで一つの部屋として使えるようになっています。ロールスクリーン自体がカーテンボックス内に納まるように設計されているので、使わないときも見た目がすっきりとしています。
トイレにも一工夫です。
トイレの背面収納は一見するとオープンな飾り棚にみえますが、一部壁を立ち上げることで裏に「見せない」収納空間ができあがります。「見せる」と「隠す」が両方取り入れられた収納です。
洗面台の収納も鏡の扉を動かすと収納棚が現れる、造作ならではのデザインです。
洗面脱衣室からはテラスへ直接行き来できるため、室内干しはもちろん外干しも楽な動線となっています。
2階の子供部屋は約12畳。将来は2部屋に仕切って使えるように計画しています。
主寝室の一角にはご主人のワークスペース。造作カウンターと壁面収納で機能性をもたせ、1m60㎝の間仕切り壁で仕切っています。あえて区切り過ぎず、でも少し籠り感を出すことによって落ち着いた空間ができあがります。
実際に現地を訪れると、明るい光が差し込んだ玄関ホールが印象的で、全体が風に包まれた開放感あふれるとても魅力的なお住まいでした。
今回、見学会開催にご協力いただきましたお施主様、ご来場いただいたお客様、ありがとうございました。
来月は、4月15日(土)、16日(日)に名古屋市守山区にて完成見学会を開催します。
ぜひご参加ください。
設計 早川