4月29日(土)、愛知県弥富市にて完成見学会が開催されました。
ぐるりと回れる回遊動線が特徴の平屋のお住まいです。
敷地は市街化調整区域にあり、広さは約134坪。東隣には遠くまで田んぼが広がっていて、周辺はとてもゆっくりとした空気が流れています。そんなのびのびとした環境で、おおらかな屋根が目を惹く建物が今回の会場です。
外観は、平瓦の屋根が家全体を大きく包み、重厚感のある印象。グレーの塗り壁に玄関と軒裏の木部が組み合わさり、どっしりと構えながら優しい雰囲気も感じられます。当日は植栽も植えられ、一段と素敵に彩り豊かに仕上がっていました。
玄関に入ると、まずはニッチがお出向かえ。
玄関ホールの顔となるこの場所には、家族写真を置く想定です。設計段階で、「この空間に馴染み、かつ飾るものが映えるにはどのような工夫をしたら良いか」と、時間をかけ考えたポイントのひとつです。最終的にはニッチを設け内壁はタイル貼り、そしてダウンライトで照らす、という方法でまとまりました。
このように家の随所に、お施主様と設計者のこだわりが詰まっています。
玄関ホールから右手に曲がるとLDKへ続きます。一歩足を踏み入れると、多くのお客様から感嘆の声が上がりました。天井いっぱいの大きな開口に囲まれたリビングは、外部の景色を室内に取り込み、開放感に溢れています。
リビングには存在感のあるタイルを施し、空間のアクセントに。明るいベージュのタイルはとても上品で、空間を華やかに彩ります。
隣には、ピクチャーウインドウのあるダイニングです。枠を壁に巻き込んだサッシは、のどかな田園風景をシンプルに切り取り、まるで絵画のように見せてくれます。
全体を見渡せる対面キッチンは、背面に貼られたグレーの大判タイルとオークの造作収納によって、統一感のある洗練された雰囲気をつくります。
LDKの周りには深い軒がかかったテラスが広がっています。室内に折り上げ天井をつくり軒裏まで板貼りにすることで、室内から外まで木部の天井が続いているように見え、リビングにより一層の広がりを与えます。
のびのびとした周辺環境と広い敷地によって生まれたこの空間。ご来場いただいたお客様からは「こんなところに住めたら理想的だね」というお声もいただきました。のどかな景色に包まれた広々としたリビングで、ゆったりとした気持ちで日々過ごせそうです。
また、このLDKは小上がりの畳コーナーとも隣接しています。
畳コーナーは薩摩中霧島壁と板貼りの天井でつくる、落ち着く“和の空間”です。反対側の廊下と繋がる小窓は、開ければ風と視線が通り抜け、閉めれば空間のアクセントになります。
キッチンの後ろには、浴室・脱衣室・洗面室・WIC・家事コーナーを一直線上に配置し、そのまま外部テラスへと繋がります。“着替えて・洗って・乾かして・しまう”が完結するシンプルな動線は、日々の家事の負担を軽減してくれます。
回遊動線の廊下には収納を設けることで、通路空間を有効に活用。建具は白塗装をして天井いっぱいまでにすることで、壁と一体化し圧迫感がありません。大型の荷物も取り出しやすいです。
廊下の先には何か光が降り注いでいるような・・・。
暗くなってしまいがちな廊下に設けたのは、2箇所の天窓。少し離れた場所から見るとまるで光が降り注いでいるようで、とても綺麗でした。ご来場いただいたお客様からも「素敵だね」とお声をいただきました!
廊下の先にはご主人の書斎。テイストを変えて他の部屋とは異なる雰囲気です。アンティークウォールナットの床、レッドシダーの板貼り、グレーの色漆喰で、シックな空間です。お客様の嗜好に合わせて仕様を変えられるのも、オーダーメイドの家づくりならでは。これからインテリアも揃えて、どんなこだわり空間になるのでしょうか?楽しみです!
このお家の大きな特徴である「ぐるりと回れる回遊動線」は、各部屋のプライバシーはきちんと守りながらも家全体にゆるやかな繋がりを感じることができます。見学会ではこの行き止まりのない動線を繰り返しまわって、スムーズな移動や空間の面白さを楽しんでいるお客様も多くいらっしゃいました。そして家の内部だけで完結せず、住まいは外部へと繋がっていき、空と緑の風景が暮らしの一部として取り込まれます。心地良い時間が流れる1日でした。
見学会には11組、計21名のお客様にお越しいただきました。ご協力いただいたお施主様、ご来場いただいたお客様、ありがとうございました。
来月も見学会を行う予定です。皆さんのご来場をお待ちしております。
●次回の完成見学会のご予約・詳細はこちら:「ちいさくてもゆたかに暮らせる家 −i-works2.0−」完成見学会 / 名古屋市緑区
設計 外石