はじめまして。２月から中途入社した注文住宅部の岡田と申します。
よろしくお願いいたします。
さて、先月の５月13日(土)、名古屋市昭和区にて完成見学会が開催されました。
SE構法によって実現した開放感のある2階LDKと、それに続くゆったりとしたリビングテラスが特徴のお住まいです。
建物は閑静な住宅街の一角にあり、東側道路に面した間口約7.5m、奥行き約20ｍの東西に細長い形状。勾配の違う二つの屋根を段違いに配置した特徴的な屋根形状と、左官仕上げならではの味わい深いそとん壁が一際目を惹きます。
また、こちらの敷地は東側を除く３方向に隣家が近接しており、南側の採光が期待できません。そこで、思い切って南側をふさぎ、東側に開く計画としました。東側に設けたバルコニーは、背丈ほどのルーバーによってプライバシーの保たれた空間を実現し、ファサードにあらわれる水平ラインも印象的です。
軒裏の板張りや木製玄関ドアなど、木とそとん壁が組み合わさることであたたかみと重厚感のある印象をつくり、門塀前に植えられた「アオダモ」がアクセントとなって彩りを添えてくれます。
室内に入ると共用のライブラリーがお出迎え。床レベルを一段下げることで「おこもり感」を演出し、「畳・薩摩中霧島壁・桧のカウンター」を組み合わせた設えで落ち着いた和の空間となっています。造作ソファでのんびりと本を読んだり、ワークスペースとしてオンライン会議を行ったり、それぞれが思い思いに過ごせる居場所です。
他の部屋とは異なるテイストで、特別な雰囲気を演出したこのお部屋に多くのお客様から感嘆のお声をいただきました。
こちらは、設計士こだわりのペンダント照明です。やわらかい光が薩摩中霧島壁のテクスチャーを際立たせ、より上品な空間を演出します。
階段を上り2階に上がると、明るく伸びやかなLDKが広がります。
SE構法により実現した壁の無いワンフロアと最大高さ3.5mの高天井、ダイナミックな勾配天井により、空間に奥行きと広がりが感じられます。
さらに南側に高窓を設けることで太陽の光が天井に反射し、LDK全体を明るく柔らかく照らします。
南側の天井を一部低く抑え板張り仕上げとすることで、水平ラインを強調し空間を広く見せています。
南側の壁一面の仕上げは大判タイルで統一。上部に設けた間接照明が美しいタイルの凸凹を際立たせます。照明を消している時とガラッと印象が変わり、違った雰囲気で楽しませてくれます。
キッチンは空間を広く感じられるようアイランド型にし、背面の収納には、雑貨や小物などが映える”魅せる収納”をデザインしました。家電や雑多な物はパントリーにしまい、”隠す”と”魅せる”のバランスを取っています。
このように、家の随所に「空間を魅せる」工夫や素材選びへのこだわりがみられ、来客のおもてなしまで意識した洗練された空間が広がっています。
さて、そんなLDKから続くのは、7畳のバルコニーです。ダイニングからフラットで続き、空間がまるで外へと広がっていくような開放感をもたらします。
ルーバーによって外部とつながりは緩やかになり、日中はカーテンレスで過ごすことができます。外からの視線を気にせず、家の中には十分な自然の風と光が採り込こまれます。
1、2階ともトイレや手洗い場にはタイルを施し、統一感のある空間に仕上げています。特に２階のトイレは来客が使用することも想定し、ゆとりのあるスペースを確保しました。ダークブラウンのタイル、漆喰の壁、人造大理石のカウンターと上質な素材を組み合わせ、明るさを絞った照明を配置することで、まるでお店のような洗練された雰囲気が漂います。
素材選びのこだわりは洗面室にも。壁面と飾り棚に別々のタイルを施し、それぞれ違った表情を楽しむことができます。ゆったりとした洗面カウンターに造作収納を設えた素敵な空間です。
家事コーナーでは「洗濯、乾燥、畳んで収納」の一連の動作がスムーズに行えます。室内干しや大容量の収納など機能面も充実させて、家事の負担を軽減。乾太くんが収まるサイズの作業台や、室内干しで使うサーキュレーター用のコンセントを設けるなど、暮らしを細かくイメージしながら設計しました。
見学会にはたくさんのお客様にご来場いただきました。
お施主様と設計士がこだわった、素材や空間を魅せる工夫は大変好評で、特に薩摩中霧島壁を採用したライブラリーや間接照明とタイルを組み合わせた空間デザインを気に入っていただけたお声が多かったです。
敷地条件をしっかりと読み解き、２階リビングとSE構法を組み合わせることで実現した広くて明るいリビングとそれに続くリビングテラスはとても心地良い空間でした。本物にこだわったフルオーダーの家づくりをしている阿部建設だからこそ提案できた空間だと思います。
今回見学会にご協力いただきましたお施主様、誠にありがとうございました。
また、見学会にご参加いただいた皆さまもありがとうございました。
設計 岡田
