「ちいさくてもゆたかに暮らせる家 −i-works2.0−」完成見学会を開催しました2023.07.17

先月の10日、11日の2日間、名古屋市緑区にて完成見学会が開催されました。
今回のお住まいは「i-works2.0」。こちらは建築家・伊礼智さんが考える、誰もが心地よいと思える家づくり【i-worksプロジェクト】の中でも、もっともコンパクトな間口3.5間×3.25間のプランです。

 
土地探しからスタートした家づくり。i-worksは規格住宅のため、「プランが敷地に納まるか」が重要になってきます。こちらの敷地は変形敷地でしたが、2台分の駐車スペースと少しのお庭が確保できる、お施主さまの暮らしにぴったりと合った“ちょうど良い”広さでした。
 

 
軒の出をなくし外壁と屋根が一体となった外観は、まるで絵本から飛び出したような愛らしさ。少し飛び出た雨樋がデザインに変化を加え、所々に施したひのき材との組み合わせが、木の家らしいあたたかみのあるファサードをつくります。
 

 
ZIGという山型デザインのガルバリウム鋼板の外壁に、木製ガラリと戸箱が一体となった木部。木製ドアが外観のアクセントになっています。
 

道路と玄関の間にはポストを埋め込んだ塀と植栽を設え、ワンクッションおいています。機能面・プライバシー面はもちろんですが、家の顔として、ポイントとなる空間です。
 

 
玄関ドアは道路に面していますが、開けた際に外から室内が見えないように設計されています。
 

 
壁面にはi-worksのオリジナル収納。収納量を確保しつつ、壁とよく馴染む白塗装の仕上げによって、すっきりとした印象です。カウンターと窓があることで、外に視線が抜けて狭く感じません。
 

 
扉から一歩入ると、1階のほとんどのスペースを占めるLDK空間が広がります。
天井高さは2.15m。一般的な天井高さ2.4mよりも低めに設定されており、重心が下がることで、落ち着きのある空間をつくります。
 

 
リビング横の全開口サッシ“オープンウィン”を開ければ、フラットで心地良いデッキスペースへと繋がります。室内に外部が取り込まれ、障子を閉めればより品のある雰囲気に。植栽の影が障子に映り、心が癒されます。
 

 
ワンフロアのリビングダイニングにはさまざまな仕掛けや居場所があり、単調になりがちな空間が遊び心万歳でワクワクします。階段下には、猫ちゃんの居場所。なんともかわいらしい、小さな入り口が見えます。
 

 

 
米松の円柱はリビングダイニングのアクセントとなって、空間を柔らかい雰囲気にしています。造り付けのワークスペースと収納は白塗装にすることで壁と同一化し、天井いっぱいでも圧迫感を感じません。天板のチークもポイントになっています。
 

 
キッチンはi-worksオリジナル仕様。コンパクトなサイズ感ながら、上部と背面にはしっかりと収納を設け機能面も充実。カウンターにはチークを使い、高級感のある雰囲気に仕上がっています。キッチンまわりには、壁に溶け込みつつテクスチャーが愉しめる壁と同色の白いタイルを施し、勝手口はゴミ出しや裏動線として活躍します。
 

 
洗面所は脱衣室を兼ねて、洗面・洗濯機・収納と充実した空間です。洗面台前には お気に入りのmina perhonenのタイル。毎日の身支度が楽しくなります。
 

 
階段横の窓は外の風景を切り取り、樹木の葉の揺らぎが見えたり光を1階まで落としたり、自然の心地良さを室内へと運びます。
 

 
階段を上がった先には、勾配天井の個室空間があります。空を望む天窓が部屋全体を明るく照らし、杉の化粧柱と現しの梁が印象的です。
 

 
日当たりの良い南側には、洗濯干しやアイロン掛けなど、便利に使えるインナーバルコニーがあります。窓からはたっぷりの光。タイルの床が夏はひんやり、冬は太陽の日で暖かさを感じ、足から心地良さを感じます。
 

 
同じく、南側には寝室があります。少し低めに設置したサッシによって開放感があり、部屋を広く見せてくれます。転落防止の手すりもデザインされたものです。
窓と一体となった庇付きの木製ガラリは1階と同じデザインで、外から見ても一体感があります。
 

 

 
2階からさらに階段を登ると約9畳の広々としたロフト空間。ドーム型のような天井に、一部障子を設えています。
 

 
こちらの障子。2階個室空間のポイントとなるデザインです。主張しすぎず、さりげないデザインもi-worksらしいなと感じました。障子を開ければ2階と繋がり、天窓に近い眺め、見下ろす景色もまた面白みがあります。
 

 
見学会当日はたくさんのお客様にご来場いただきました。
私たちスタッフが多くを語らずとも、住まいがもつ空気感を感じとっていただいている、そんな印象でした。また、土地探しのヒントになったという方もいらっしゃいました。「土地の大きさに関わらず、設計次第で豊かに暮らせる住まいはできる」ということを実感していただけたのではないかと思います。
 

 
「標準化」と聞くとどこか通り一編の味気ない空間だと思われるかもしれませんが、考え抜かれた無駄のない空間構成に、細やかなこだわりが施されたシンプルで居心地の良い住まいでした。
 

 
ゆったりとした時のなかで、暮らしを丁寧に紡いでいく・・・。そんなお施主様のこれからの暮らしがイメージできます。
 
ご協力いただきましたお施主様、ご来場の皆さまありがとうございました!
 
 

設計 吉本

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