「2つの屋根をもつ、平屋の家」オーナー様宅見学会を開催しました(前編)2023.09.13

先月5日、愛知県額田郡幸田町でオーナー様宅見学会が開催されました。築1年の平屋のお住まいです。
今回は、前編・後編に分けて、みどころポイントや暮らしの様子などをご紹介していきます!
 

 
さて、見学会当日は、朝から気温が高く猛暑日。
こちらのお住まいは『性能』と『デザイン』を両立させた住まいということで、『性能』の一つである温熱環境を体感するには、もってこいの日でした。
 

 
家全体は“家庭用エアコン”にて全館空調を行っています。空調換気計画を綿密に行い、エアコン3台(天井裏、床下、壁掛け)と給気口・排気ファンを各所に設けています。
 

 
季節ごとに使い分けることで、各部屋へ均一にエアコンの風がいきわたるように空気の通り道が計画されています。通常の全館空調は業務用の容量の大きいエアコンを使用しますが、しっかりと空調計画を行えば、家庭用エアコンでも同等の快適さが実現できます。
 



 
また、南側は大きなサッシを設け充分な日射量を確保。西側は夏場の西日対策として木製サッシで日射遮蔽を行います。このように日射取得をコントロールすることも省エネルギー住宅に繋がります。
 

 
さらに、断熱性能を強化【屋根断熱を厚くする(吹付け断熱200厚→300厚)、基礎断熱を強化する(基礎スラブ部分にネオマフォーム張り)】し、サッシには高性能樹脂サッシを採用することで、UA値0.37 、C値 0.18という高気密高断熱の住宅が実現しました。
 

 
ご来場のお客様からは、部屋のどこにいても同じ温度であること、ルームエアコンで全館空調を行っていることに、驚きと感動の声が上がりました。性能(特に温熱環境、断熱性能)へのこだわりを体感いただけたかと思います。
 

 
さて、もう一つ特徴的なのは建物の形で、北と南に分かれた2棟からなります。北側は道路に沿って、南側は日射取得のために敷地に対して斜めに振って配置されています。
 

 
建物を東から見るとこのような形。
非対称に折り重なるようにデザインされた屋根が、美しい建物のラインをつくりだしています。
 

 
1年経った外観は新築時とほとんど変わらず、味わいのある雰囲気でした。外壁にジョリパットや板貼りを採用するか迷われていらっしゃるお客様は、経年変化やメンテナンス性を実際に自分の目で確かめられる、良い機会だったかなと思います。
 

 
そんな2つの建物の配置の「ズレ」から生まれたのが、坪庭とギャラリーのようなホールです。
彩り豊かな植栽が施され、四季の移ろいが感じられる特別な場所。廊下からは、視覚的変化のある面白い景色を楽しめます。
 


 
シンプルにデザインされた玄関を入り、正面には主寝室があります。薩摩中霧島壁が落ち着きのある雰囲気を纏って、まるで旅館のような空間でした。
 

 
お布団でのご生活をされるお施主さまの暮らしに合わせて、小上がり仕様にしています。床には杉材を採用。新築時に比べ、より深い色合い(あめ色)になっていました。生活していくにつれて木の表情が変わっていくことも、自然素材の大きなメリットです。
 

 
小上がりの設えに合わせて、隣にはご夫婦それぞれのワークスペースを設えています。収納棚に差し込むようにデザインされたカウンターと丸棒の脚がポイントです。
 

 
ご主人さまのデスクには、趣味でつかう機材や本が並べられ、新築時では見られない充実した空間の使い方を見ることができました。
 

 
LDKへ続く廊下の一角には、ブルーのタイルが目を惹く洗面コーナーがあります。腰壁でゆるやかに仕切ることで空間に溶け込み、まるで家具のような佇まいです。鏡や照明などの小物も空間とよく合っていて素敵でした。
 


 
廊下の先を進めば、LDK空間へと繋がっていきます。続きは後編へ!
 
 

設計 岡田

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