10月28日、名古屋市千種区にて完成見学会が開催されました。
今回のお住まいは【あとりえずTOKYO(泉幸甫氏+武川建築設計事務所)】とのコラボレーションによって生まれたお住まいです。
土地を購入後、阿部建設にいらっしゃったお客様。
分譲地の一番端、最初は広く見えた敷地ですが、隣の建物が建つにつれて圧迫感を感じるように。
20坪ほどの敷地に3人暮らし、『土地の難所を“見どころ”にするような家を建てられないか』というお話しから家づくりがスタートしました。
変形かつ周囲が3階建の建物に囲まれるという難しい敷地をどう読み解くのか。敷地に制限のある都市型住宅のひとつの解にもなるような建物です。
お会いした当初にいただいたお施主様からのご要望メモには、こんな言葉が書かれていました。
「つらい時も、その家の造作・ディテールを見ると癒される家。端正なフォルム、よい手ざわり、丈夫さ、その全体としての美しさ、静謐さ。」
その言葉に応えるように、随所にこだわりのディテールが表れています。
3階建てですが、圧迫感を感じさせない外観。
道に沿って歩いた時に建物が印象的に映るよう、角地に沿った形状です。
外壁はジョリパッドのT2004。やわらかいベージュの塗り壁が街並みに溶け込みます。コテではなくスタイロフォームでこすって仕上げ、ランダムな表情をつけています。
また、建物を取り囲むように日本在来種のカンツバキ、ヤマボウシなどの植物を植え、街並みに彩りを添えています。
開口部を減らしたベージュの塗り壁はまるでキャンバスのように、植栽の影を美しく映します。
洗い出し仕上げのポーチは、跳ね出しているような見た目で軽やかさを演出。アプローチからデザインを愉しみます。
玄関を開けて出迎えるのは、泉さん設計の照明。
カバーに和紙を張ったやわらかな光が玄関を照らします。
洗面室、脱衣室の壁は杉の板張り。階段下収納の扉は、壁と目地合わせをすることで“隠し扉”のような仕上がりになっています。
リビングへと上がる階段には、造作のアイアン手すり。アイアンならではの自由なカーブ形状で、1階から2階まで1本で通しています。
階段を上がると、勾配天井と吹き抜けで高さを出したリビングダイニングにつながります。
階段とリビングを仕切る格子は、この家の大きなみどころ。視線をほどよく仕切り、ほどよく繋いでいます。
暗くなりがちな階段室には、トップライトからの柔らかな自然光が落ちてきます。
夕暮れ時は、西日を受けた格子の影が壁に映り込む、美しい情景が生まれます。コストを抑えるための減額要素として挙がっていた格子ですが、この景色を見てお施主様も、採用してよかったとおっしゃっていました。
リビングダイニングから西側の神社の緑を眺められるよう、南西に開口部とバルコニーを設けました。リビングダイニングと隣接し、隣家からの視線を遮るよう壁を高く設定しています。
外部を取り込みながらも、プライベート感のある特別な空間です。
道路や高さ制限などの法規条件から、制限のない南東側に3階をもっていきました。
団らん空間から少し離れた場所に設けた個室からも、神社の木々や街並みの景色が楽しめます。
今回は建築家とコラボした住宅ということで、普段の見学会・お住まいとはまた一味違った雰囲気を感じていただけたかと思います。
建築家や設計事務所と協働による家づくりも阿部建設の特徴のひとつです。建築家/設計事務所と工務店。それぞれが最大限の力を発揮し、お客様の理想の暮らしの実現をお手伝いします!
見学会にご協力いただきましたお施主様、ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!
●こちらのお住まいの設計エピソードを、泉幸甫さんが先日のトークイベントの中でお話しされています。
気になった方はぜひ【見逃し配信】をお申し込みください。
設計 三宅