先月18日、愛知県弥富市にて完成見学会が開催されました。
2023年5月に完成し、暮らしがスタートしてから9か月ほど経ったお住まいです。
広い軒下空間とタイルデッキが目を引く外観。
阿部建設のInstagramでも度々登場しているので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか?
設計中のお客様からも「こんな家にしたい!」とお声をいただくことも多い、人気の平屋住宅です。
さて、今注目されている「平屋」。阿部建設でも定期的に個別相談会を開催するなど、ここ数年で人気の高まりを感じています。そんな背景もあってか、見学会にはたくさんのお客様にご来場いただきました。
今回はいつもと視点を変えて「平屋で暮らす」という点にフォーカスしつつ、見学会、暮らしの様子などをご紹介していきます!
まず平屋を計画するにあたって、どうしても必要なのが「土地の広さ」です。
ざっくり言うと、例えば延べ床30坪の建物を考えた時、2階建てであれば1階は15坪の面積で建てられますが、平屋の場合はそのまま30坪の面積になるので、それに応じた敷地の広さが必要です。さらに駐車場や庭を確保しようと思うと…車1台で4~6坪程の広さが必要になってきます。地域によって定められている“建ぺい率”(土地に対して建物の大きさを制限する法律)によって、土地の大きさいっぱいまで建物を建てることはできないため、注意が必要です。
こちらのお住まいの敷地は130坪を超える十分な広さと、周囲に高い建物がないゆったりと広がる景観も魅力的で、平屋にはもってこいの環境でした。
それでは、お住まいのなかを見ていきましょう!
玄関を入ると右手には、通り抜けできるシューズクロークがあります。BBQ道具や革靴などが置かれ、まさに「見せる収納」になっていました。見学会用にセッティングしたわけではなく普段からこのように使っているそうです。最近多いシューズクロークですが、扉をつけるなど“収納部屋”としてつくったり、今回のように通路も兼ねてつくったり…と生活スタイルによってプランはさまざまです。空間をどう使いこなしているか、暮らしの様子が見られるのもオーナー様宅見学会の良いところですね。
玄関の左手は廊下、そこから各居室へと繋がります。こちらの廊下には、天窓を2箇所設けています。平屋の場合、特に部屋数が多いときに生じる問題が採光の確保が難しいこと。外部に面していない廊下などは暗くなりがちです。
こちらのように天窓を設けることで採光もしっかり確保でき、長く単調になりがちな廊下もドラマチックな空間になります。
さて、天窓を採用するうえで心配なのがメンテナンス面。住宅も車や家電のように、定期的なメンテナンスが必要です。平屋であればこういったメンテナンスの際に大掛かりな足場が必要なくなります。家全体のメンテナンスがシンプルになるため、費用も抑えられます。平屋のメリットですね。
玄関の右手側にはLDK、そのすぐ奥には水まわりがあります。
水まわりの特徴は、UB→脱衣室→洗面→WIC→外干し空間と、一直線につながるレイアウト。脱いだ服を洗濯して、干して、しまう、までをひとまとめにした家事動線を実現しています。上下移動のない平屋だと、このような効率の良い家事動線が計画しやすいこともポイントのひとつです。
当日はあいにくの曇り空でしたが、家の中はどの部屋も温度差がなく過ごしやすい環境でした。全館空調の【パッシブエアコン】によって生まれた快適な室内環境は、お施主様からも来場されたお客様からも好評でした。
竣工からまだ1年経っていませんが、新築時とはまた違った実際の暮らしの様子を感じることができました。特に「見せる収納・隠す収納」とこだわって設計した部分がしっかりと機能していて、良い意味で生活感のない、すっきりとした空間でした。これから生活していくにつれて、木の表情など経年変化が生まれていくのがとても楽しみです。
来月は完成見学会を開催予定です。皆さんのご来場をお待ちしております。
設計 三宅