3年前、土地探しからスタートしたお施主さまとの家づくり。
「候補の土地が出る→検討」を繰り返しながらようやく出会えた場所に、お施主さまこだわりの住まいが完成しました!
土地面積はおよそ66坪。十分な広さですが、それに合わせて建物を設計してしまうとその分建築費も高くなります。お庭や駐車場などをしっかり確保し、建物は暮らしに合わせて約27坪とコンパクトに。お施主さまと対話を重ね、コストバランスを考えながら家づくりを進めました。
それでは、LDKと水まわりを中心にポイントを絞ってご紹介していきます!
「土間収納×帰宅動線」がつくる家事楽
玄関を入ると右手には土間収納。扉をつくらず、入り口には垂れ壁を設けて空間をゆるく仕切っています。たっぷりとしまえる壁面収納を通って、キッチンのパントリーへと移動できます。
玄関にも一工夫。「インテリアやグリーンを飾れるスペースがたくさんほしい!」というご要望から、室内でもグリーンが育つように、玄関のカウンター上やキッチンのカップボード上に窓を設置しています。玄関はグリーンを外からも中からも愉しむことができます。四角い窓とお施主さま支給のブラケットライトも含めて、全体的にかわいらしい印象に仕上がっています。
メインの洗面はここ!
玄関の先に見えてくるのは幅広カウンターの洗面空間。メインの洗面を玄関横につくる、少し挑戦的な間取りです。トイレ(洗面後ろ)と帰宅時の手洗い場も兼ねていて、ポイントカラーのグリーンが映えるスッキリとしたデザインです。
廊下のない1階プラン
1階は廊下がないため、動線も空間も無駄がなく機能的。勾配天井と間接照明によって“縦の広がり”、大開口で“横の広がり”が生まれ7畳のリビングもゆったりと感じます。障子を閉めれば落ち着きのある雰囲気に。開口に合わせて、障子の組子も大き目にデザインしました。
光をとり入れた、軽やかなデザインのキッチン
キッチンの壁は一部タイルで仕上げています。ご提案では、黒っぽいタイルがいいかな?と考えていたのですが、お施主さまが選んだのはグリーンのタイル。木との相性もバッチリ、ナチュラルな雰囲気になりました。
ポイントは、窓に張り出すように設えたオープン棚です。インテリア関係のお仕事をされている奥様。小物や植物を置いて空間を彩ります。側面までタイルを巻き込むことで、“かたまり感”のあるタイル壁と、浮いたような棚との対比も愉しめます。
冷蔵庫はパントリーに納めて、生活感をなくす
キッチンの先にはパントリーがあります。冷蔵庫をパントリー内に納めることでLDK空間の生活感を抑えつつ、玄関から繋がる家事楽動線によって買い物帰りの荷物も楽にしまえます。
ペンダントライトが美しいダイニング
キッチン横にはダイニング空間。お施主様セレクトのペンダントライトがポイントです。天井に映る影も豊かな暮らしのワンシーンです。
カウンターまわりは「手しごとの家」をイメージして
障子の小窓に、幅広のデスクカウンターを組み合わせて。イメージは、“手しごとの家”にあるカウンターです。上部のエアコンには格子の目隠しを取り付け、存在感を和らげています。
サンルーム兼ファミリークローゼット
ランドリールーム(脱衣室)と繋がり、テラスにも出られるサンルームは、ファミリークローゼットの機能をもたせています。普段使いの洋服はこちらに収納。コートなど長ものも掛けられるように、オープンスペースも設けています。
「インテリアが映えるように余計なものは置かない」を軸に据えることで、シンプルだけれど単調になりすぎない空間ができあがりました。
“キッチンまわりはスタイリッシュ”に、“ダイニング横のデスクカウンターは和モダンに”と雰囲気を少しずつ変えることで、さまざまなインテリアを飾って愉しむことができます。あえて「統一感を出しすぎない」ご提案はお施主様からも共感をいただき、大きな変更なく打ち合わせもスムーズに進みました!
今回の見学会では、「外構や植栽が建物にマッチしていて良いですね!」とのお声をいただきました。基本的に建物と外構は一緒にご提案しています。“家”と“庭”が調和されることで“家庭”が育まれます。庭があっての建物、切り離して考えることはできません。タイトルにある「庭との繋がり」やこだわりの外観デザインなどは、施工事例などでご紹介できればと思っています!
ご協力いただきましたお施主さま、ご来場くださった皆さま、ありがとうございました。
来月開催の完成見学会もお見逃しなく!
「家族が集まる平屋の家」完成見学会
設計 八代