業務企画室の阿部将也です。
ただ今阿部建設では、倉庫大改修プロジェクトが進行中です。これまでも現場レポートで工事の様子などをお伝えしてきました。
●【新プロジェクト】木の心地よさをオフィスにも
●【新プロジェクト】大森ウッドタウンに新たな建物が誕生します
●【新プロジェクト】大森ウッドタウン、改修工事中!
今回は少し視点を変えて、なぜ倉庫を改修することになったのか、その経緯と完成予想パースまでをご紹介していこうと思います。
さて、ブログを読んでいただいている方の中には「阿部建設=注文住宅の会社」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は阿部「建設」と言う名の通り、過去には官公庁の仕事を多く請け負ってきた時代があります。
●阿部建設-百年物語
こちらの写真は、昭和20年5月頃、金の鯱を取り外している様子を写したもの。(提供:名古屋城振興協会)空襲に備え金の鯱を取り外す作業なども担当しました。
その為現在でも、法人のお客様向けの「施設建築」を数多く手掛けています。特に昨今は、施設建築の分野でも環境への意識が高まっており、オフィスを木質化に改修したり、建物自体を木造でつくるなど、「木質・木造化施設」のお話しを多くいただきます。そんな背景もあり生まれたのが、今回のプロジェクトです。
現在の事務所は元々モデルハウスとして使っており、築30年程経過しています。リフォームを多少してきたと言っても、残念ながらとてもお客様にお見せできるような事務所ではありません。本や資料なども多くスタッフも増えて手狭だった為、社内では新事務所の計画があがりました。
計画を進める中で、「せっかくモデルハウスが2棟あるので、その間にある今の倉庫の場所を利用してはどうか?」という意見があがりました。こちらの倉庫は鉄骨造ですが築50年程経過しています。解体することも考えたのですが、「ここは阿部建設の技術の見せどころだ!!」ということで、躯体を残し木を活かしたリノベーションを進めることになりました。
次にコンセプトを決めていくわけですが、今回の建物は打ち合わせスペースを兼ねたオフィスになります。注文住宅を検討されているお客様、スタッフの仕事の拠点になる大切な場所です。
『お客様にとっては、家づくりが楽しくなるような、打ち合わせ中もリラックスして心地良く過ごしていただける、そんな空間を・・・。』
『スタッフにとっては、仕事に集中できる環境であることはもちろん、新しいアイデアが生まれたり、みんなが集まって意見が出しやすかったり。一方で少し息抜きもできるような、良い刺激と安心感を感じられる空間であって欲しい。』
そんな思いからこの場所が、家づくりの「核」となりひとつの「起点」となる場所であることを目指し、『大森ウッドタウンのセンターハウス』というコンセプトが決まりました。
そしてこの建物の一番のポイントは、家づくりを“ハコ”だけにとどまらず、“インテリア”から“エクステリア”までトータルで体感できる「ワンストップサービス」の場であること。これは2棟のモデルハウスではなかった新たな取り組みです。
どうしても家づくりの主役は「間取り」と「水まわり」になりがちで、インテリアとエクステリアが後回しになってしまうことが往々にしてあります。私たちもご提案できる体制は整えていますが、家づくりでは決めなければいけないことは山ほどあり、お客様の意識もそちらにいきにくい、ということがあります。
そしていざ、インテリアやエクステリアのお話になっても「なかなか想像がつかない!」ということも。例えば座り心地を体感できるのも、お店などではわずかな時間であったり、植栽などはそもそも一体どこに見に行けば良いの?など・・・。今回のモデルハウスでは、それらを空間に組み込むことで打ち合わせ初期の段階から自然と意識を向けてもらえるよう工夫しています。サイズ感や質感、そして実物を見た時の直感。これらを五感でじっくりと体感いただける場を考えています。
私たちがご提案するのは単なる「家」ではなく、そこに住まう方の「暮らし」です。お客様にとって心地良い暮らし、理想の暮らしを叶えるための情報の場として、そしてそれをサポートするスタッフが最大限活用できるようなワークスペースの場を目指します!
では、そのワンシーンを完成予想パースでちょっとだけご紹介です。
こちらのカットは外からたっぷりの光が入り込む1階部分です。建物の中にさらに小さな建物があるような・・・。
こちらは打合せルームのカットです。外の植栽を眺めながら、室内は素材からデザインまで、上質かつ親しみやすい雰囲気が感じられるよう計画しています。
自然と座り心地が体感できるよう打ち合わせスペースにはさまざまなデザインのテーブルや椅子をご用意。エクステリアの植栽についても、落葉樹、常緑樹、下草など様々な種類を計画し、なかなか見ることができない実物を目で見て触れて感じることができます。
まだ足場も外れておらず、私もどんな空間が出来上がるかドキドキしています!今後も新プロジェクトのちょっとした小話を発信していければと思います。
業務企画室 室長 阿部