初めてブログに登場します、設計の西村です。
今年8月に阿部建設に入社しまして3ヶ月ほど経過しました。
いつだったか国道41号線を車で走っていて、ふと目に映ったのが黒川ヒュッテでした。屋上緑化で良い雰囲気の佇まいだなぁ…と、ちょっと感動したことを記憶しています。
その昔、ログハウスの仕事に従事していたことがあり、ログヤードの視察を兼ねてカナダへ行く機会がありました。バンクーバー島で立ち寄った平屋建てのスーパーマーケットの大きな屋根は一面が緑化され…というか雑草が生い茂り、そこにはヤギの親子が飼い放たれていました。屋根の一角にはドーマーのような小さな小屋があり、その小屋がヤギたちの住まいになっているとのことで、春から秋までは緑化の草でヤギたちは自立した生活が成り立っていると聞き、屋根緑化を見るとその時のことを懐かしく思い出します。
話はそれましたが、雰囲気の良い佇まいというのは人それぞれの感じ方なのでしょうけれど、それでも黒川ヒュッテの佇まいは年代性別を問わず、多くの方が落ち着いた雰囲気を感じるのではないでしょうか。私自身、過去色々な会社で営業、設計、施工を経験してきましたが、今どきの流行りに追われる感は否めず、街中を見渡してもフォルムや外装をみればいつ頃建った建物か分かるようなものが多く、時間の経過とともに古臭さを感じてしまう建築はどうしたものかと思います。
古い=劣化ではなく、時間の経過=価値というような建築とはどのようなものかと考えたときに、やはり素材がもつ力を引き出せる建築、日本人が慣れ親しんだ空間というのが理想のように思います。
大規模災害等による法令強化、経済性、施工性、新しい技術や素材など、時代の移り変わりとともに要求される内容は変化していくため避けられない部分もありますが、そのような中でも長く愛される建築というものを追求していきたいと考えています。
そうした想いを実現する取り組みの一つに、阿部建設では多くの場合一人のスタッフがお客様との出会いから設計、施工まで一貫して担当いたします。このようなスタイルは業界の中でも非常に珍しいと思います。お客様と接する時間が長いからこそ感じ取れる想いがあり、それに応えたいと思う気持ちが強くなり、発注者と受注者という関係ではなく、住まいづくりのパートナーとしての相乗効果で良い建築ができあがっていくのではないでしょうか。
長く愛される建築を目指して「阿部建設に頼んでよかった!」と体感していただけるよう、皆さまとの出会いを楽しみにしております。
設計 西村