皆さん「建築士会」という団体をご存知でしょうか?
「建築士会」とは、建築士の資格を持つ方々によって発足された全国規模の組織で、建築を通じて地域への貢献や会員相互の親睦を深めることを目的としています。各県に地域ごとの「建築士会」を構え、それぞれが意欲的に活動を行い、年に1度持ち回りで全国大会も開催しています。今年は今話題の大阪・関西万博の開催に合わせて大阪で行われます。テーマは「建築からソーシャルデザインへ」。建築士の職能を最大限活かし、社会課題に真摯に向き合い、その解決策を提示・実行することを目指すという意味から掲げられたそうです。さぞかし賑やかな大会になるのではないでしょうか。
さて、私が所属する愛知建築士会には、21の支部と各委員会があります。現在は名古屋名東支部に所属し、総務委員会でホームページの更新などを担当しています。運営は基本的にはボランティアです。事務作業やイベント企画などで忙しいこともありますが、地域への発信と仲間と情報共有ができればと思い参加しています。実際に、建築士会には設計職だけでなくさまざまな職種の方がいるので、普段の業務だけでは出合うことのない人たちとの繋がりや、情報・知識の広がりを感じるこも多々あります。
そんな活動のなかで、「大森ウッドタウンにある手しごとの家、renoBASE(リノベース)をぜひ見学したい!」と言う意見があがり、設計をしていただいた建築家の泉幸甫先生をお招きして、講演会&見学会を開催しました。社長の阿部が所属している名古屋北支部と合同イベントということで、当日の参加者は29名、ここに阿部建設の社員も加わり活気ある会となりました。
まずは「手しごとの家」へ。専務の阿部将也からモデルハウスを建築家に依頼した経緯などをお話して、泉幸甫先生の講演に移りました。私はスタッフとして対応しており残念ながら泉先生の講演を聞くことができなかったので、参加者の方に印象に残った内容などを聞いてみました。
昨今、工業製品でできた建物ばかりになり、既製品が一般化されたことで職人技術の低下を招いたというお話が印象的だった、とのこと。また、建築素材への探究心や細部にまでこだわる納まりは大変勉強になったそうです。
「手しごとの家」は泉先生のこだわりがつまっています。なかでも、腕のある職人だからこそ扱える素材の使い方は、まさに“手しごとのなせる技”。私たちがいつもお客様にお話ししている「オーダーメードの家」の原点です。泉先生の仕事に携わることで、阿部建設の施工技術が向上しているのは確かだと思います。今回改めて手しごとの家の細部について、じっくりと見直すいい機会となりました。
その後「renoBASE(リノベース)」のコンセプトをお聞きし、質疑応答にて終了。長時間に渡り泉先生にはご自身の考えていることや設計手法など、惜しみなくお話しいただきました。
終了後は、「キッチンサロン」にて懇親会です。泉先生とのお話は尽きることなく、ついつい時間を忘れてしまうほど。ご多忙な中、最後までお付き合いいただきました。
職場も職種も違う人たちと同じ目的を持ってイベントなどを企画することは、日頃の仕事にも人脈にも広がりができ、良い刺激になります。これからも建築士会との関わりを大切に、仕事にも活かしていけたらと改めて思いました。
建築士会のホームページには、一般の方に向けての建築相談や展示会、イベントの情報も掲載しています。ぜひ一度覗いてみて下さい。
建築についてのご相談 | 愛知建築士会
設計 吉本