奥様 子どもを授かって、自分たちの家がほしいねって夫と話したのが、家づくりの始まりです。家族みんなに心地よく、帰ってきたときにほっとするわが家がいいねって。まずは最初に土地を探しました。田舎すぎず、都会すぎず、新しい家ばかりでなく、長く住んでいる家もほどよくあり、スーパーや病院などにも近い利便性もあって‥。こうした住環境の土地を半年かけて見つけました。
ご主人 そこで目指したのは、家族それぞれが快適で安心して暮らせる家です。無垢材や漆喰などの自然素材を使いたいと思いました。その風合いとともにインテリアを楽しめることも重視しました。
奥様 もともとインテリアやアートに興味があったので、こうしたものにこだわった家にしたかったのです。好みの家具やアートを暮らしの中で楽しみつつ、リラックスできる空間にしたいと思いました。
ご主人 阿部建設に決めたのは、初めての打ち合わせで「手しごとの家」を訪れ、自分たちの好みにぴったりだったからです。風合いも雰囲気も、理想に一番近かったですね。
奥様 それに打ち合わせではライフスタイルや趣味なども聞いてくれ、私たちの思いや希望を尊重してくれる誠実な姿勢が印象的でした。家づくりって楽しそう、と思いましたね。
ご主人 家づくりが始まってからも、リビングへの太陽光の入り方を3D画像で見せてくれ、説明がとても分かりやすかったです。吹き抜けを設ける効果がイメージでき、不安なく進めることができました。
奥様 雑誌でもインターネットでも住まいの情報はたくさん得られますが、それぞれのケースに応じた光の入り方や風の通り方はいくら調べても分かりませんよね。南側の建物の状況も踏まえ、この時間はこの方角からこのように光が入るというシミュレーションは、プロならではだと思いました。専門家の知識と経験によるアドバイスをいただけるのはありがたいですね。
奥様 新しい家は、木の風合いを生かすことと、壁を真っ白にすることを希望しました。「白」は木との調和が美しいだけでなく、シンプルで飽きがこず、アートを飾るにも適しているからです。特に玄関ホールは、絵や器を飾ってギャラリーのような空間にしたいと考えました。今実際に飾っている絵は、阿部建設本社併設の「黒川ヒュッテ」にあった作家さんのもの。夫婦の直感で即決した作品なんです。 間取りについては、リビングは南、ということだけは早い段階で決まりましたが、ほかはパズルを合わせるようにあれこれ考えました。阿部さんには何度修正していただいたか分からないぐらいです。どの素材を使うかもいろいろな可能性を考え、結果的に出会ってから引き渡しまで3年の時間をかけましたが、考え抜けてよかったと思います。思い描いた通りの住まいを実現できました。
ご主人 実際に暮らし始め、快適そのものです。リビングは床がオークの無垢材なので、夏でも涼しく、冷房を入れても冷え過ぎませんし、冬は床暖房があり年中快適に過ごせます。大きな窓があることで、吹き抜けの大きさ以上に開放感を感じることができますね。
奥様 カーテンを開けると自然光が注ぎ込んで本当に気持ちがよく、無垢のフローリングで子どもと遊んだりくつろいだりしています。リビングのテレビボードやダイニングのテーブルも、オークの無垢材で統一感を持たせ、食器棚もオークの木目のものを選びました。本物の木の質感は美しく、やさしい温もりを感じますね。
また、どこにいても家族の気配を感じられる造りや、家事動線が考慮されたキッチンの配置も気に入っています。洗濯の際は、洗ってからしまうまで最短距離にしたかったので、収納スペースを洗面室の中ではなく隣に設け、ウォークスルークローゼットにしました。洗面室の床は快適性と清潔感を考えて、温泉施設のような素材に。畳に近い肌ざわりで、素足で歩いて気持ちよく、掃除がしやすいのもいいですよ。
白い壁が主体ですが、ここぞというところに壁紙を用いています。それが2階の書斎スペースです。ウィリアム・モリスのクラシカルで上品なテイストの壁紙に、同じデザインのカーテンを合わせ、すりガラスと真鍮製のスイッチをコーディネート。このスペースだけ、あえて異なる雰囲気にしました。ソファを配した家族みんなのお気に入りの場所で、私は子どもと絵本を読んだり、主人は音楽を聴いたり本を読んだりして楽しんでいます。一人になりたいときにこもれるプライベート空間でもあります。
奥様 以前は、家に合わせて住んでいる感覚でしたが、新しい住まいではのびのびくらせるのがいいですね。これからこの家で、子どもが成長していく姿を見守りながら、家族の時間を楽しみたいです。アート作品も少しずつ集め、白い壁をいかして掛けたり並べたりして、好きなものに囲まれた空間をその時その時でつくっていければと思います。
ご主人 子どもの成長とともに、デスクを設けた畳スペースや書斎スペースが、勉強や読書などにいろいろと有効活用できると考えています。ライフサイクルに合わせて空間の使い方を変えたり、また庭の手入れをしながら草花の様子を愛でたり、日々の変化を家族一緒に楽しんでいきたいですね。