Nさん はじめは賃貸住宅を探していましたが、なかなか気に入る物件がなく、あったとしても家賃はかなり高くなります。家賃を払い続ける資金があれば家を買えるのではないかという話になり、中古住宅を探すことにしました。しかしそれでも気に入る家がなくて、だったら“建てよう”という結論になりました。
Mさん それまで“家を建てる”ことを想定していなかったので、最初はイメージがなかなか持てませんでした。インターネットでいろいろ検索して、スタイリッシュな住宅を手がける工務店を見つけ、話を聞きに行ったのですが、なんか違う感じがして…。
実は、阿部建設は本社の前を何度か通りかかったことがあり、ステキな建物だなと思っていたんです。ホームページを確認したら妻も良さそうだということで、モデルハウス「手しごとの家」を見学に行きました。左官仕上げの壁とか階段の造りがすごく印象的で感動しましたね。
Nさん 夫はデザイン、私はごみにならないなど環境に良いことと断熱性を重視していて、こうした点でも阿部建設はしっかりしていると思いました。インターネットや雑誌をたくさん見てもピンと来る会社があまりなかったなか、「手しごとの家」を見て全体の素材の使い方とかバランスがいいなという印象でしたね。
Mさん ほかの会社はデザイン性が良くても、質問にあまり答えてくれず、説明にしっくりこなかったんです。しかし、阿部建設の担当の佐藤さんは、こちらが尋ねたらきちんと答えを返してくれる。話し合いができると思ったのでここに決めました。打ち合わせを重ね、見学会に足を運ぶうちに、住まいのイメージがわいてきた感じです。
Mさん 家づくりに向けての土地選びは1年以上かかりました。場所のポイントは、僕の職場に近いことと、ターミナル駅へのアクセスが良いことです。最初は阿部建設本社建物のような平屋をつくろうと考え、広い土地を探しましたが、思うようなものはなかなか見つかりません。そこで平屋ではなく2階建てのプランにして、改めて土地を阿部建設の不動産部門と一緒に探して決めました。
Nさん 家づくりでは、書斎はふたつ、本棚は多めに、キッチンは独立型、などを要望として挙げました。本棚は書斎の壁一面を使うほか、1階や2階の廊下などたくさん設けたいと思っていたんです。また、独立型キッチンとダイニングを横並びにするレイアウトも、使い勝手が良く、テレビも観やすそうなので希望しました。夫は「勾配天井がいい」とずっと話していましたね。
Mさん あらわし梁のある勾配天井を取り入れたいと思っていました。玄関を広くし、ストレートなラインがきれいな一直線の階段を設けることも希望でした。
Nさん このほか、住宅関連の本や雑誌などを参考に、気に入ったものも取り入れています。壁はもともと薩摩中霧島壁にして、上部をあらわしにする予定だったのですが、ベニヤを採用した事例がすごく良くて途中で変更してもらいました。
Nさん 阿部建設からの提案で印象に残っているのは、奥行きを109mmに設定した文庫用の本棚です。文庫のヨコサイズは出版社によって微妙に異なり、105mmから107mmが多いのですが、どれもうまく収まるような本棚を、廊下の柱と壁を利用してつくってくれました。柱の奥行きだけでは本のヨコサイズに足りなかったので、手前に木材を取り付けて調整しています。一般的には使わない場所を収納に有効活用することで、空間が狭くならずに済みました。
もうひとつは、勾配天井の傾斜をつける向きですね。当初のプランでは勾配天井の幅が狭かったのですが、よりダイナミックな空間を楽しめるように勾配の向きを変えて幅を広げようという提案でした。さらに、勾配天井にしたことで生まれたダイニングとリビングの上の空間に、隠し扉付きの収納スペースを設けてくれました。
Nさん 一方で、悩んだのは玄関を入ってすぐの壁です。玄関と土間を行き来できるように、壁の一部に隙間をつくって通路を設けようとしたところ、夫は「この通路は要らないのではないか」という意見でした。けれども私は「行き来するために必要」という考えで、ふたりでずいぶん話し合いました。検討を重ねるうち、そもそも「この壁自体がいらない」という結論に至ったのです。担当の佐藤さんにそう伝えたら、壁がないと玄関からリビングが丸見えになるけど大丈夫なのかと心配されましたね。壁を取った場合のパースをつくってくれ、CG上で確認した上で進めることにしました。結果的に今気にすることなく生活しているので、自分たちの基準で選ぶことも大切だと思います。
Nさん これまでは自宅にほとんど人を招いたことがありませんでしたが、新居ができてみんなやって来るようになりましたね。家で仕事の打ち合わせをすることも増えました。
Mさん 僕たちも居心地の良さを実感しています。家で過ごす時間が長くなりました。
中でも、あえて照明を減らした暗さがリラックスできていいなと感じています。それに、配置を考慮した灯りや光が映えます。玄関ホールはキャットウォークを通った太陽光の落ち方がきれいですし、リビングから望む洗面台のほわっとした灯りもすごくいいですよ。穏やかな灯りや光の明暗のコントラストに心落ち着きます。
Nさん 私は2階にあるヌックがお気に入りです。ここは明るく、本や資料を読む時はずっといますね。当初のプランではサンルームのような空間でしたが、ベンチの設置をお願いしたら、「ヌックにしましょうか?」という提案が!実は、ヌックがあるといいなと思ってはいたものの、要望に挙げることなく諦めていたんです。つくることができてうれしかったですね。
また、最初に希望していた独立型キッチンも使い勝手がよく、料理に集中でき、改めて良かったと思っています。夫も、こまごましたものが目に入らなくていいねって話していますね。
Mさん 最初のイメージがなかったところから、様々な情報を集め、選び、話し合いを進めてきて、最終的に理想通りの家ができました。
今後は、ふたりとも映画が好きですし、良いスピーカーも設置したので、自宅で映画を楽しむ時間を増やせるといいなと思っています。あとは現在あまり活用していない自分の書斎を、別の用途で使うことも検討しながらすっきり整えたいと考えています。