阿部建設のモデルハウスやショールームにはさまざまな植物を飾っています。
年中楽しめるグリーンやドライフラワーに加えて、春はモクレンや桜の枝ものだったり、夏はドウダンツツジ、冬はアセビやコットンなど…季節に合わせてお花屋さんに入れ替えていただいています。
いつもお世話になっているのは、名古屋市千種区にあるvinca major flower(ヴィンカ マジョール フラワー)さん。その時期のお花を使用して色鮮やかにまとめてくださって、私個人でもお祝い事や贈り物のお花をお願いしたことがあります。
さて、仕事で接するうちに興味を持ち、グリーンショップに行くのが好きな友人からも影響を受け、いつからか自分でも植物を育てるようになりました。比較的簡単そうな鉢植えから始めたものの、日当たりの確保や水やりの頻度の管理がなかなかつかめず、特に冬の時期は寒さもあって葉が枯れてしまうこともありました。一度はじめるとあれもこれも素敵に見え、お店を回っては買うかどうかひとしきり悩む、を繰り返しています。
生花は店先で華やかさに惹かれつい購入するのですが、中々長持ちはしないので少し切ない気持ちにもなります。昨年には多肉植物のマルシェがありたくさん購入してしまいました。多肉植物は水やりの頻度も少なく、とても管理しやすいです。また、葉っぱから増やしていくことができると教えてもらい、葉挿しを試していたのですが、3月を過ぎたころついに根っこが伸び子株が生えてきました!暖かい時期になると植物も目に見えて生き生きと新しい葉を伸ばすようになるので、面白いものだなあと思います。
自分で育てたり、興味を持ちはじめるとこれまで気づかなかったさまざまな気づきがあります。
例えば、枝もの・生花を生けた花器は意外と重いということ。高さのあるカウンターに飾ってしまうと水替えが想像以上に大変です。また、ある生花をカラーボックスの上に置いていたところ、水の重さで板がたわみひび割れてしまったことがありました。
一方で、背の高い花器に活けようとした時、シンクの深さがなくて水の入れ替えがしにくいこともありました。毎日のことだとこれが意外とストレスに感じます。
また、花器を“置く場所”に注意が必要だったことも。無垢材の上に置いていたところ、いつの間にか水シミが!はじめから植物や花器を置くことを想定している場所には、水の手入れがしやすい素材にしておくと良いですね。
どれも些細なことですが、お花や植物がお好きな方にとっては大切なポイントかなと思います。そんな小さな視点からもお客様の暮らしについて深く、広く考えていけたらと思いました。
さて、住宅のプランを考えるとき、動線や空間の大きさ、居心地のよさをあれこれ思考を巡らせますが、その中でも大きな要素の一つが眺めの計画(窓の配置・裏返して言えば壁の配置)です。「ソファに座って横を見れば、庭の植物が眺められてほっと落ち着く」「漆喰の壁際に背が高めの植物を置いて、天窓からの光で時間によって葉陰が落ちて変化を楽しめる」等々…設計者はいろいろなストーリーを仕込んで居心地のよい住まいをつくろうと思索します。最近は窓際にヌックを設けてこもれるような居場所をつくる提案もよく見かけますが、そんな窓際にもちょっとした植物の居場所を設けてあげるのも、生活のいろどりの一つになるかもしれません。
人の居場所を設けてあげると同時に、ぜひ植物にも居心地のよい場所をつくってみてください。
自然豊かな環境でなくても、設計次第で豊かな眺めは生まれます!
設計 水谷