限られた敷地を活かす、3階建ての家づくり2026.09.30

家づくりにおける土地選び。
ご家族それぞれに住みたいエリアがあり、その理由もさまざまです。
駅近や人気の学区など、需要の高いエリアでは土地の価格がかなり上がっており、特に名古屋の都心では広さと価格のバランスが難しく、悩むことも少なくありません。
今回ご紹介するのは、そんな名古屋の都心に建つ3階建てのお住まい。
限られた敷地のなかで、ご要望をめいっぱい詰め込んだ家づくりのお話です。

お施主様はご夫婦とも建築関係のお仕事をされており、ご自身たちで基本的なプランをまとめたうえでご相談にいらっしゃいました。敷地は名古屋市内でも文教地区に近い住宅地。準防火地域に指定されているため建築上の制限が多く、さらに前面道路は一方通行で幅員もそれほど広くありません。3階建てを建てるには厳しい条件が重なっていました。

プランは、1階にインナーガレージを設け、2階には家族が集う明るいリビング、3階に個室を配置。
リビングと個室はゆるやかにつながり、家族の気配を身近に感じられるような素敵なご計画でした。

ご要望をしっかりと反映できるよう、建物をどう設計するか。
まずは、敷地めいっぱいに建てられるよう準耐火構造を採用し、建ぺい率を緩和。構造的に成り立つように耐力壁の配置なども相談しながら調整しました。
また、天空率を用いて高さ方向も有効に活用するなど、この敷地でできることを最大限に引き出せるよう、検討を重ねました。

完成したお住まいは、道路側には大きな窓を配置し、階段と吹抜けを通じて日差しが届く明るいリビングに。耐力壁も確保できるようブレース(金属製の筋かい)を設置しています。
また、光が1階にも届くようにストリップ階段を採用することで、空間全体に軽やかな印象が生まれました。


ここ数年はコロナ禍、ウッドショック、ウクライナ侵攻、ナフサショックなど、物価上昇の理由に困りません。
土地の価格も上がり続けるなか、当然ご予算にも限りがあり、確保できる敷地の広さも決まってきます。
今回のお住まいは、厳しい敷地条件のなかでも目的を決めて大胆に計画し、自由設計によって課題を解決しながら、ご家族のこだわりをかたちにできたとても良い例だと思います。

限られた敷地をどう活かすかという視点は、これからますます重要になっていきそうです。
今後は、3階建てに加え、4階建てという選択肢も出てくるかもしれませんね。

 

設計 西村

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