旅先の景色を、住まいに取り入れる2026.01.07

あけましておめでとうございます、設計の三宅です。
みなさんはこの冬休み、どこか出かけられましたか?
 
出かける、といえば私たち設計は、全国各地の建築を見るために旅行に行っています。
もちろん個人住宅を見るのは難しいので、美術館やホテルなど公共施設がメインです。
住宅以外のものを見て勉強になるの?と思われるかもしれませんが、公共施設にも、居心地の良い空間のヒントはたくさんあります。
 

今回は、設計メンバー5人で広島に旅行に行ってきました。
目的は、今年から始まったひろしま国際建築祭
1泊2日かけて、建物を10件ちょっと見て回りました。
こんな空間が住宅にもあったらいいな、と考えながら写真を撮ってきたので、少しだけご紹介します。
 
LOG
昭和38年、千光寺山の中腹に「新道アパート」として建てられたのち、インドの設計事務所「スタジオ・ムンバイ」によって、ホテル・カフェ・ギャラリーといった複合施設にリノベーションされました。
 

 
エントランスを入って左手すぐの階段。
西に面した開口部から光が下りてきて、上の階には何があるんだろう、とワクワクさせてくれます。
転落防止のために縦桟の本数が多いですが、できるだけ細くしているので野暮ったくならず、良いリズム感が生まれています。
壁の色も普段なかなか使わない色ですが、決して突飛ではなく、全体のトーンに合っていて落ち着く雰囲気に仕上がっていました。
 

2階にある、カフェ&バーアトモスフィア
屋内ですが、床は土間仕上げで開口部が大きく、外とつながった半屋外のような雰囲気の落ち着く空間でした。
バルコニーやテラスなどの「中のような外」を設計することが多いですが、このような場所のように「外のような中」も心地よいなと感じました。
 

訪れたのは、ちょうど夕方のタイミング。
西面を向いた部屋ですが、カーテンのおかげで西日がきつくなく、やわらかい光が室内に差し込んでいました。
西面の窓というのはあまり良いイメージがないかもしれませんが、日射の対策ができていれば、西に開くのも悪くないですね。
 

カフェと廊下の間にある、オープンな共用空間。
カフェと空間的には近いですが、サッシがないことでより開放的で、外に近い雰囲気です。
団らん空間と言えばリビング、ダイニングが一般的ですが、こんな居心地の良い半屋外があれば、自然と家族が集まる場所になるのでは、と思いました。
 
LLOVE HOUSE
約110年前に建てられた、茶園と呼ばれるこの地域特有の別荘建築を、建築家・長坂常率いるスキーマ建築計画が改修した建物です。
 

右手の建物がLLOVE HOUSE。
千光寺公園に上がる尾道の丘の中腹にあります。
尾道水道が一望できる、とにかく景色の良い敷地です。
この建物のすぐ近くには、作家・志賀直哉が暮らしていた長屋もあります。
 

2階は床が一面畳の、オープンな空間。
最近は畳を使う物件が減り、カーペットやタイルなどを採用することも多くなってきました。
ですが畳の魅力は、立つ・座る・寝転ぶと、使い方が限定されない床材なこと。
セカンドリビングなど、自由な共有スペースには畳がぴったりかも。
 

床座の生活に合わせて、床から窓の下までは40cm程度になっていました。
畳に座ると、ちょうど肘をかけられるくらいの高さ。自然と座りたくなるような、魅力的な窓際になっています。
 

こんな感じで背もたれにして、椅子代わりにも。
どこでも座れる畳の空間は、家族それぞれに居心地の良い場所を与えてくれます。
ちなみに2日間で見学した建物はこんな感じです。
 
旅のしおり(設計者 敬称略)
U2(谷尻誠)
千光寺
尾道市立美術館(安藤忠雄)
LOG(スタジオ・ムンバイ)
LLOVE HOUSE(長坂常)
高原清吉食堂(前田圭介)
神勝寺
神勝寺 松堂(藤森照信)
洸庭(SANDWICH/名和晃平)
santo(前田圭介)
ここちcomfort gallery(前田圭介)
ristorante nook(kitokito)
 
みなさんも旅先でよい景色、良い空間に出会えたら、ぜひ聞かせてください。
そこから素敵な家づくりにつながる、空間のヒントが隠れているかもしれません。
 
 

設計 三宅

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