家づくりを進めるうえで、土地の形状や広さ、周辺環境などに「制約がある」と感じる方は少なくありません。
ですが、どんな土地にも何らかの制約や特徴があるのが当たり前。
重要なのは「それらをどう読み解き、住まいの設計に活かすか」という視点です。
私たちは“建物単体”で考えるのではなく“外構や庭を含めて一体”で設計することで、その土地にしかない「暮らしの魅力」を引き出すことを目指しています。
今回は、土地の個性を引き出すために私たちが大切にしている「3つの外構設計の視点」をご紹介します。
1.凹凸をつけた配置計画で、視線をコントロールしながら自然を取り込む
周辺環境からの視線が気になる敷地や、開放感を少しでも確保したい敷地に対しては、建物の形をL型やコの字型にするだけでなく、意図的に凹凸をつけた形や配置にすることで、外との繋がりとプライバシーを両立することができます。
たとえば、こちらの建物は写真左側の浴室を張り出したことで、デッキ側には自然とプライベート感が生まれました。あえて囲いなどを設けてはいませんが、落ち着きのある空間になりました。
この他にも、レイアウト次第で以下のようなプラス要素が生まれます。
また、アプローチ動線も外構計画の中で大切にしています。
玄関までの動線の中で視界に入ってくる植栽やファサードの見せ方にも配慮し、季節感や奥行きのある景観を感じられるようにしています。住宅の第一印象はアプローチで決まるといっても過言ではありません。
ここに緑を添えることで、住まいの印象がぐっと豊かになります。
2.高低差を活かして、コストを抑えながら快適な動線をつくる
高低差のある土地に対して「まずは整地して平らに」と考えがちですが、大規模な造成工事や擁壁の設置には多くのコストがかかります。
そこで私たちは、土地に合わせて設計を工夫することで、コストを最小限に抑える提案を行っています。
たとえば、
などなど…。土地に逆らうのではなく、地形を活かす視点で提案をしています。
土地の条件というのは“制約”ではなく、設計の可能性を広げる“きっかけ”とも言えるのです。
3.屋外スペースを“機能”で分けて活用する!分散型の庭づくり
狭小地や分譲地のように庭のスペースが限られる場合でも、屋外空間をひとつの大きな庭として考えるのではなく、用途ごとに“分散”させることで、暮らしに合わせた快適な使い方ができます。
たとえば以下のように、複数の庭に“役割”をもたせます。
などなど…。
特にここ最近人気なのは、洗濯動線を意識した「メインデッキ兼外干し用デッキ」です。
リビングから出られるメインのデッキに、ランドリー(洗面脱衣室など)からもアクセスできるような設計にすることで、外干しスペースとくつろぎスペースを兼ねたデッキ空間になります。
省スペースかつ動線もよくなるのでおすすめです。
また、勝手口まわりも暮らしに合わせて多目的に活用できます。
家庭菜園を希望される方には小さな菜園スペースを提案する一方で、
といった、機能的な裏動線のスペースとして設計することも可能です。
おわりに
土地の形や広さ、高低差といった条件はどの敷地にも少なからず存在します。
ですが、それを「制約」ではなく「特徴」ととらえ建物と外構を一体で計画することで、その土地でしかできない暮らしのかたちを実現することができます。
私たちは、お客様それぞれの暮らし方やご要望を丁寧に聞き取りながら、土地の可能性を最大限に引き出すご提案をしています。
「土地に合った住まいってどんなものだろう?」と思ったら、ぜひ一度ご相談ください。
その土地だからこそできる、豊かな暮らしを一緒に描きましょう。
設計 八代