10月に鹿児島県へ研修に行ってきました。
今回は、鹿児島で地域に根差した家づくりを行っているおばま工務店さんを訪問。モデルハウス見学や他社も含めた勉強会を通じて、さまざまな学びを得てきました!
まずはじめに見学したのは、霧島市小浜地区にある複合施設obama villageです。
2024年に開業、人口600人程の過疎集落に新たなコミュニティの場として生まれた「未来の村」です。
海と山に挟まれた7,000平米強の敷地に、霧島の森の木で建てられた木造の建物が並びます。
海沿いを走る道路側には飲食店や雑貨屋などが入った「イチバ棟」、山側には7社が入った「オフィス棟」があり、コワーキングスペースや会議室、自社事務所なども構えられています。

黒く見える外壁には焼杉が使われていて、約2500本もの杉を地域の方とも協力しながら一つ一つ焼いてつくったそうです。
飲食店はパン屋さんやカレー屋さん、クラフトビールのお店など、地元こだわりのお店が並んでいました。
海の近くというロケーションの良さを生かして、イートインスペースやコワーキングスペースなど、訪れた人が滞在する場所が設けられていました。

コワーキングスペースから見えるのは、桜島。
こんな素敵な場所なら、作業も捗りそうですね。

次に訪れたのは、obama villageから車で5分ほどの場所にある民泊施設。
工事中でしたが、中まで見学させていただきました。


リビングが2階にあり、大きなテラス窓からは、これまた桜島が望めます。
一般住宅で2階リビングは将来を懸念されることが多いですが、このような豊かな景色の「借景」にはぴったり。
また、壁面の落ち着いた色合いが、この土地の雰囲気ととてもよくマッチしているように感じました。

最後に見学したのは、こちらも現在工事中のモデルハウス。
こちらの外壁には焼杉ではなく白木が使われていて、また少し違った雰囲気を醸し出しています。
棚田の地形を活かし、海へ向かって床が下がっていく設計になっており、周囲の自然との一体感が感じられました。


見学後、obama villageの設計を手掛けたフジワラテッペイアーキテクツラボの方から設計プロセスについて伺い、おばま工務店さんからも自社の歴史や取り組みについてご紹介いただきました。
obama villageは、良い家をつくるだけでなく、良い家を建てたくなるような環境をつくるという考えからできたそうです。自分にはなかった発想に驚かされました。

また、おばま工務店さんが大切にしていることは、
「良い家のための人生ではなく、良い人生のための家でありたい」。
良い家をつくることは、あくまで良い人生を送るための一つの手段であるという言葉がとても印象的でした。
お客様にとって良い人生とは何か、そこに応えられるような家づくりをしていくことが大切だと教えていただきました。
最後に、今回の勉強会に参加した工務店同士、情報交換を行う場が設けられました。
お客様向けのプレゼン資料について各社の取り組みを共有し、意見交換を行いました。
他社のプレゼン資料を見る機会はなかなか無いので貴重な機会であり、今後こうした設計業務に携わっていく自分にとって、大変勉強になりました。

今回の研修を通して、新たな知識や考え方をたくさん得ることができました。
この経験を活かして、お客様により良いご提案ができるよう努めていきたいと思います。
設計 齋藤