中学生の職業体験で感じた、家づくりの本質2026.04.29

こんにちは、社員大工の中村優希です。
阿部建設に入社して、ちょうど丸1年が経ちました。

日々現場で汗を流していますが、先月は職業体験の講師として、専務の阿部将也、先輩大工の松下、そして私の3人で、守山東中学校を訪問してきました。

今回の職業体験は1年生が対象、生徒たちは事前に参加したい会社を選びます。
私たちの他にも、有名スーパー、飲食店、地元の美容室など、さまざまな業種の方々が招かれていました。

事前に中学校より提示された活動の目的は2点。

  • 講義や体験を通して将来の進路を考えるきっかけとすること
  • 各企業のSDGsへの取り組みを知り、その実現が進んでいることを学ぶこと

この体験活動の一貫として、生徒たちにカンナやノコギリに触れてもらうため、私たち社員大工も同行しました。

今回の授業は、先述の通り単なる木工教室ではなく職業体験です。
まずは、阿部のレクチャーからスタート。

『家ってなんだろう?』

そんな漠然とした問いかけに、生徒たちからさまざまな声が聞こえてきます。
「ご飯を食べたり寝たりするところ」はたまた「家族と喧嘩するところ」。
それらに頷きながら、『阿部建設では“生活が続く場所”だと捉えています。』と阿部は答えます。

家づくりは雨風をしのげる箱をつくることではなく、お客様の生活・人生を形づくること。
そのため同じものが完成することはなく、さまざまな要望を汲み取り建築的に最善の方法を提案することが大切。

このような家づくりの本質について考えると同時に、実体のないものを契約し完成後に費用を支払う「請負契約」といった実務的な側面にも触れ、お客様との信頼関係の重要性について学びます。私にとってもハイレベルな内容ですが、阿部建設の家づくりに対する思いを改めて実感し、胸を打たれました。

次のテーマはSDGsについて。
持続可能な社会に向けた17個の開発目標について、阿部建設が得意とする「木の家づくり」という切り口で説明していきます。

「なぜ家づくりに木を使うのか?」阿部建設では次のように考えます。

  • CO₂の排出量が少ないため
  • 地元の木材を使用することにより、経済の循環を促し山を守るため
  • 長く住める健康的な住まいを提供するため

環境負荷が大きい産業と言われる建築業に携わるものとして、SDGsへの取り組みを大切にしていること。
また、家づくりには営業や設計、現場監督はもちろん、木の製材を担う方々まで、多くの職種が関わっています。1棟の家を完成させるまでに、延べ200人以上が携わるといわれており、すべての職種がこの取り組みに向き合っていく必要があることを学びました。

レクチャーで頭を動かした後は、家の組み立ての基本となる「カンナ」と「ノコギリ」を使った実技の時間。
私たち社員大工にバトンタッチです。

今回は柔らかく加工のしやすいスギとヒノキ、堅く耐久性に優れたタモの3種類の木材を用意し、ノコギリとカンナを掛けてもらいます。先輩大工の松下による樹種や道具のレクチャーを終え、生徒たちも作業スタートです。

現在の建築現場においては、電動化が進みノコギリとカンナを使う頻度は少なくなってきています。木材のカットはほとんど電動丸ノコで行いますし、製材用の自動カンナというものもあります。情けない話ですが私にとっては機械の方が馴染みがあります。一方で難しい取り合いなどの部分は、手カンナやノコギリが必要になり、その技術の習得の大切さは日々実感しています。

私も生徒たちに簡単にコツを説明し実演。経験の少なさから内心はどきどきです。

生徒からは「やっぱり俺たちとは精度が全く違う」「大工さんは簡単そうにやっているけど全然うまくいかない」などの声が聞こえてきました。職人としての技術を伝えられたことに一安心しつつも、苦戦しながら懸命に取り組む生徒の姿に、改めて襟を正す思いになりました。

最後は、職業体験のまとめです。
「仕事って何だろう?」「仕事の出来る人ってどんな人だろう?」阿部の問いかけが続きます。

明確な答えはありません。

でも「仕事って誰かの役に立つこと、責任を持つこと、学び続けることじゃないかな?」ヒントが与えられます。
「人によって正解は違うけれど、それを一番考えた人が正解に近い」
そんな言葉を伝えて、体験は終了しました。
個人的に、専務によるこういったコンセプチュアルな考え(概念化能力)は阿部建設の強みではないかと思っています。

社会人にとっても難しい問いですが、生徒たちはどんなことを感じ取ったのでしょうか。
ソフトなものをハードによって実現する。
相反するように見えるものは実は隣合っているのではないか?そんなことを感じました。今回は講師としてお邪魔しましたが、生徒たちと共に、私にとっても学びの多い1日になりました。

社員大工 中村

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